スケート靴を脱ぐまえに

舞台・スケート・他 備忘録ポエム >₍ᐢ. ̫ .ᐢ₎

16500人のうちのひとり〜PIW2023佐賀公演に行ってきました

チケットゼロから飛行機だけ確保して九州行き決めてたけど、まあかなだいin決まっちゃったし流石に公演入れないかもな〜福岡で飲むか吉野ヶ里遺跡でも行くか〜と思っており、入れたらはてなブログ書くわと身内にイキってたらチケットが見つかってしまった。嘘みたいだ。

 

はてな記法もタグも全て忘れており、呆然としながらお送りしております※

これは佐賀公演行ったよの話で、横浜含めて演目やゲストスケーターの感想はまた別に更新する予定です

 

気がつけばあらゆる趣味に中途半端に置いて行かれていたわたしにとって、PIWはいつの間にか、1年のうちの大きな位置を占めるようになった。単なる惰性と弱気だが、薄給グレー企業を何年も辞められていない。毎年繁忙期のGW横浜公演はどうにかこうにかどこか1日休んでマチソワ、あとは7月の東京公演で何度か入るのが関の山だ。

勿論今年もそのつもりであったがここで哀れなオタクにまさかの告知が降りかかった。TLでスケート関係ないフォロワーも注視してくれていたワンピースオンアイスに愛するチームPIWがアンサンブルとして全員招集されるっぽいお達しである。これは8月中旬催行、つまりどう見ても例年通りなら7月開催の東京公演に稽古がバッティングしてくるのだ。幸い物見遊山でこの発表前にワンピースオンアイス自体には1公演は入ると決まっていたが、そういうことではない。おわった。

こういった場合、たいてい2月あたりに東京公演が持ってこられるような気もするのだが確証はないし、わたしが観たいのは今である。例年栃木などで地方公演が打たれるPIWくんであるため、行くか!遠征!と贔屓目に見てもコロナ禍以降フッ軽とは言えなくなってしまった腰を上げたところ、今年唯一の地方公演が佐賀県、しかもなぜか未完成で見えかたどころか席も規模感もわからんアリーナでの開催と分かった。

さすがに一度腰をおろしましたね。なぜかというと日帰りで帰れるのかわからなかったため。薄給グレー企業会社員、土日にかかる連休が取れそうになかった。そもそも佐賀県に空港ありますか??という状態(本当にすみません)。職場のお姉様方から「チケットは見つかるかもしれないし安くなるかもしれないけど飛行機が安くなることはないので飛行機くらいとってもいいんじゃない」と言われたので勢いで探すことにした。福岡県は小倉で舞台公演があった時、自分と連れのことが何も信用できなくてまず北九州空港直行便を探したわたし、もちろん佐賀直通を探した。佐賀だけにっつってね。大動揺してますからこの時点で。調べるのはタダですし。

そこでもう公演まで一ヶ月は切っていたように思います。導火線が著しく長いタイプなんですよね。行動に起こすのおっそ。

 

結論から言うと、佐賀空港も直通便も存在はしたが、乗り入れている会社と便の時間を見た結果、福岡空港から高速バスで向かい、帰路もそれを逆行するのが一番確実にマチソワして翌日出勤できそうだと踏みました。大金持ちではないが、LCCにトラブル対応で信用が置けないのと機内持ち込み手荷物の面で大荷物ADHDスレスレ人間には荷が重いため、SFJを選択。お値段も手頃、シートも座りやすくて、あとスターフライヤーマンとかいうどう見てもヱヴァとトランスフォーマーのハーフみたいなイカしたロボットが安全設備の説明をしてくれて、ロゴがおしゃれな同人誌のタイトルのフォントみたいで好き。てかそもそもこの時点でチケットもないのにマチソワ前提にすな。

自分がどのくらいおしまい人間かというと、鹿児島に遠征した時は家を出るのが3分遅くなってチェックインも保安も絶望的だったため羽田までタクったくらいにはおしまいだし、今回に限って言うと首都高が通行止めでその手が使えないことがわかっていた。背水の陣。

 

幸いにして昼公演が見つかった後も、ソワレの希望チケットは出回りがほぼなく、最悪福岡でハシゴ酒でもして佐賀県の鉄板お土産らしい大きいたまごぼうろを買って帰ろう!そもそもソワレ入ったら福岡空港にはギリギリ到着になるし!気持ちを切り替えていたら夜も見つかってしまった。見つけたら捕まえちゃうでしょうが。どうぶつの森と一緒ですよ。

 

福岡空港とSAGAアリーナを往復することになるオタクが今後どれだけ発生するかはわからないけど、西鉄グループの高速バスなら1時間半かからず着くのと、出ている時刻表にかなり準じており、とてもおすすめ。まあ頻繁に出ているわけではないうえコロナ禍での減便に晒されているため帰路はバス停で40分待ちましたが……

片道確か1300円。Suicaで支払えます鹿児島県の市電は見習ってください。西鉄が推奨していたアプリで事前決済型の往復券を買ったため片道100円くらいお得になりましたが、反応や操作性があんまり良くないのでSuicaの方がストレスなくスムーズに降りられたような感じも否めない。

 

当日はあまりにも遅刻が怖くて寝ずに4時半に家を出ました。電車と飛行機で寝られるから実質いつも通りの睡眠時間です。

そういえばSFJは何事もなくて自分が起きていればコーヒーが一杯いただけるのでそこも好きなんだったなどと思いながら福岡空港に上陸。佐賀県行きの高速バス発車時刻まで30分以上あったため、機内で作っていたしょーもなカンペとちいこ紙バナーのデータを空港のセブンで印刷するという大暴挙に出ました。本当は会場近くのセブンかローソンで出力しようと思っていたため空港内にあったのは嬉しい誤算。お察しの通りいつも新横や東伏見のセブンにお世話になっています。

 

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ほんとうにこのくらいの彩度の驚きの曇天

SAGAアリーナ、アイスリンクを敷いても着席で5500人が入る会場らしかったのですが超満員でした。派遣アルバイトとみられる若者たちが右往左往していた。カフェとコンビニ(ローソン)、ほかテイクアウトのできそうなところは長蛇の列だったので時間を潰すなら近くの商業ビルのスタバまで移動した方がいいかもしれない。イオンみたいなやつ。ちなみに大きな道路を挟んで向かいの市民文化センターみたいなところの小さなカフェはランチメニューがパンクしていて気の毒でした。しょっぱいものが食べたかったんだけど、あまりにも大変そうなのでショーケースに並んでいたガトーショコラにした。オレオが乗っかってて美味しかったです。あんなに忙しそうだったのに盛り付けもちゃんとしてた。

SAGAアリーナ、ローソンの大きな窓沿いに、メインの売りっぽい地元バスケチーム(佐賀バルーナーズ🎈かな?)の選手の等身大パネルがおいてあって、それぞれに吹き出しがついててミニ情報が書かれてたんだけど、「自慢の髭は5年蓄えました」とか「背番号の由来:わたしの息子が選びました」とか書かれてて大変よさがあった。かわいい。写真も撮ったんですが全てが反射しておしまいになっていました……

 

前述のように新横も入ったんですが、そこと佐賀公演のちがいとしてはまず規模感、そして客層!

佐賀県で初のアイスショーとのことで、4階部分の席までびっしり。新横だとキッズスケーターの関係者が多い家族連れ層も、ここでは単に観にきた、れっきとしたお客さんばかりっぽかった。マチソワ間で、「○○ちゃんじゃん!え!?スケート!?」「え!そうだよ!ママときた!△△ちゃんも!?」というアイス食べながらのほっこりトークが繰り広げられてて最高。

新横だとだいたい演技中の拍手って、要素(ジャンプとかスピンとか、わかりやすいイナやイーグル)の直後くらいしかないのが通例だと思うんですが、そこに普段スケート見ない層が増えれば増えるほど、自分の前をスケーターが滑っているだけのところでわあっと歓声のように拍手が起こりやすくなる気がしてて。特に女子のゲストスケーターさんのプログラム中が顕著に思えるんですが、わたしはあの現象がけっこう好き。

PIWチームのファンとして観に行ってはいますが、ゲストにたいしての「生でこの人が観られるんだ」という興奮や、声に出ないまでも綺麗、可愛い、素敵、という感情のきらめきがあのさざなみのような拍手の音に乗っかってるんだろうなって伝わってくる。技術的なことがなんにもわかっていないわたしからしたら、初めて来た方に近しい楽しみ方が垣間見える気がして嬉しくなっちゃうんですよね。あと、これは気のせいかもしれないけど、客席をよく見るタイプのゲストスケーターさんは、あの特有の熱気にちょっと嬉しそうな顔をしてくださるし。

 

客席を見るという話で言えば、演者のみなさんがまぶしそうに客席を見あげるような表情が印象的だったな。

前述のようにB'zがライブをやるような大きな会場なので、土日開催、佐賀県で初、豪華なゲストと役満でむかえたとはいえ、急な傾斜の天井付近の席まで、立ち見も出るくらいに満員御礼なのがとにかく圧巻だった。たまアリレベル世界規模のコンペを何年もなんども滑ったことがあるようなゲストスケーターはまあまあ良く見る光景に違いないだろうけれど、コロナ禍をくぐり抜けて新横に東京に地方にと公演を重ねてきたPIWチームのみなさんの瞳のきらめき、上気した頬と見あげた視線といったら格別のものがありました。この満員のSAGAアリーナに、最高のショーの開幕を告げに滑り出てきたコバヒロさんで、もういちオタクですら胸がいっぱいになってしまった。

内容もゲストもミーグリもずっと楽しくて、夢みたいでした。別記事更新できますように……(神頼み?)

 

ミーグリを終えて急いで会場出たらなんと雨が降っており大混乱。なんでだよ。2週間以上前から佐賀県の天気予報毎日チェックしてたけど、ここ5日間の6月10日の予報はずっと曇り時々晴れだったでしょうが。

地元のみなさんはさすが折り畳み傘をお持ちのようで遠征組がおそらく諦めてバス停ダッシュしていらした。わたしはソワレ即福岡空港ダッシュ即帰宅という気狂い日程のためその流れから外れた逆車線のバス停からだったのですが、まあ本当に自分の方の高速バスが来なくて。いや時刻表から5分程度遅れてただけなんだけど、コロナ禍で減便になってたもんだから急いで出てもゆっくり出ても一緒だった。なんならダッシュで逆の佐賀駅行きのバスに乗って佐賀土産を買ってからでも間に合った。

あまりにもバスが来ないから(繰り返しますがあくまで時刻表通りです)地元のイオン行きとかのバスに乗りかけていたけど、通話かけてくれた友人が引き止めてくれました。よかった。

バス到着5分の遅れですら保安検査場の時間ギリギリになるかもと危惧するレベルにタイトだったため、土産物はおろか飲み物も購入できなそう!と大焦りしてたらスマホから「お前のとってるフライト、機体来てないから出発遅れるで!」と通知が来てびっくりした。こんな機能あるんだ!?ってLINEで友人に言ったらかなり前からあるサービスだよと静かにドン引きされました。原始人なもので……

乗れそうで嬉しいな〜と思ったんですがここで気づく、通知通りの遅れならギリギリ間に合うけど最悪羽田からの終電を逃すことに。結論から言うと離陸も着陸も通知からさらに遅れたけど羽田空港自体が空いていたため競歩ばりの(※おたく専売特許誇張表現です)ガチ早歩きをしたらギリギリ間に合いましたが、けっこう危うかったです。逃してもリムジンバスで近くまで行けそうではあったけど。友人各位が面白がってくれたり高速バス待ちで電話くれたり終電逃した場合の帰り方調べたり飛行機間に合うよう高速バスの運転手さんをリモート応援したり飛行機逃したら翌朝の職場への欠勤電話中継してね!と極悪非道の楽しみ方をしてくれたり、恵まれてるなあと思いつつ日付が変わるころ帰宅できました。

 

PIW2023公演、とにかくパッケージとしてのプライドを感じられたのが良くて、選曲から衣装まであまりにも刺さって、まあ若干運営のチームメンバーの扱いとかモヤるところはあるにせよ、見逃したくなさすぎて佐賀遠征マチソワ日帰り翌日6時半発の電車で出勤というコロナ禍で衰えたおたく体力には堪える日程を組むことになって。あくまでも無事帰れて、眠気で倒れそうになりつつも無事出社できたからこそ言えることかもしれないけれど、なんにも後悔がないです。行けてよかった。あの、そそり立つような観客席から降り注ぐ、椅子まで震えるような拍手喝采を浴びるみなさんを見届けられてよかった。

佐賀県、タイムリーに吉野ヶ里遺跡で新発見があったりしてご飯も美味しそうだったのになんにもできなかったことだけが心残りです。ちゃんと佐賀県で作られていることを確認してたまごぼうろは買うことができました。美味しかったです。

 

東京公演、どうかありますように!