スケート靴を脱ぐまえに

舞台・スケート・他 備忘録ポエム >₍ᐢ. ̫ .ᐢ₎

卒業写真のあのひとはやさしい目をしてる 〜 2gether THE MOVIEを観てきました

卒業しなければいけないよ、その時がきたよと、たまらなく寂しく、それでも優しく背中を押された気がした。

季節は梅雨に入る直前で、湿ったあたたかい空気はイメージするタイと一緒で、だからなんだか、余計にセンチメンタルになってしまったのかもしれない。

※この文章を書き始めた公開初日から10日後、6月14日に関東地方梅雨入りが発表されていますね

youtu.be

これは、今年の3月という中途半端な時期にはじめて2getherを観た(Bright&Winという運命のシンメと、コロナ禍の事情が入り組んだ2getherという特殊な世界的ウェーブに)、あまり大きな思い入れのないおたくの見地からお送りする映画2gether感想です。あとうるさめ隙有自分語を排除できませんでした。

ゴリゴリのネタバレを含みます。

初見の人にも特に優しくないです。

f:id:kcmz:20230916160524j:image

どうしても世界で一番早く観て感想が書きたかったから、多少の無理を言って休みをとりました。

初日の一番最初の回と、その日のうちにもう一度観ただけの時点でぼろぼろと書いているので、あてにならないし、ネタバレがあるし、BWとサラタイの長いファンの方には解せないところばかりだと思いますが、引っかかったところでページを閉じるか、いちおたくの戯言としてご寛恕いただけますと幸いです。もう観たぜ!BWのおたくじゃない人間からのホメを享受するぜ!という方は、目次から選んでください。

 

8:50回後、率直な感想

主人公カップルの総集編としては100点、新規カットもボイスオーバーも入って5億点、でもこれは映画と言えるんだろうか。2getherというのは、サラワットくんとタインくんだけの物語だったのだろうか。

朝8時50分から上映が始まった映画が、シリーズ第2作、Stillの総括に差し掛かった頃のわたしの感想である。体感だけど、たぶん、112分の映画の90分以上経っていた。

最初と真ん中に差し込まれた現代時空と思われる大人の顔をしたサラワットくんとタインくんに心動かなかったわけではない。でも、もうそれ予告で観たよ、が続くと冷静にもなる。なんなら2getherシリーズ自体を何度も見ているのに。今何話だなって思いながら観るの完全に邪念じゃないですか。そりゃ大スクリーンの感動はあるけど、でも、わたしはひとつの完成された映画を見にきたつもりだったのだ。

まったく面倒なおたくで申し訳ないけど、その時点で少し、これはわたし向けのコンテンツじゃないのかもな、と思った。

サラワットくんとタインくんだけの物語だったのだろうか、と書いたが、これはKun-gu 2gether Live on Stage(2020年10月)でのBrightくんの進行兼煽りが心に残りすぎているからだと気づいた。

「2getherは、この2人だけの物語じゃないですよね?」

圧倒的爆裂大人気・世界が恋するサラタイだけでなくそこを取り巻く人々のことを、思っていたより好きになってしまったわたしは、これを、ライブの進行上とはいえ、一縷の希望とも言える素敵な煽り文句だと思った。だからこそ多分、それがシリーズ通しての運営見解だと勝手に期待し勝手にショックを受けてしまったのだ。

いや、いつのまにか担当シンメ(……)と化していたふらどれことP'MilとPhukongの出番の少なさは正直覚悟していた。2人ともびっくりするくらい告知しないし。過去映像だけかもな、クランクアップ写真にはなぜかいるけど出なかったらショックだしそのつもりでいた方がいいかななんて。

だけどまさかManTypeですらナレ処理とは思わないでしょう。ご本人たちがあんなに宣伝していたし、なんだか日本のマンタイプのおたくの人ってめちゃくちゃ熱量を感じるから、身勝手にも切なくなってしまった。いつのまにか付き合ってたじゃないよサラワットくんはまったくもーーーーータインくんのことしか見てないんだな!!!知ってた。きみはずっとそのままでいてくれ。

総集編として100点とは書いたけど、二人暮らしのおうちの最初に選んだほうでの暮らしがなかったことにされたり、そうかと思えば謎の無言シーンが引き伸ばされていたのはよくわからなかった。無言が続くところ、前後にボイスオーバーもついてなかったし。なんなんだ。B&Wの顔面で保たせようとするな。現金なおたくなのでAirせんぱいの「Tineは曲の演奏ね、楽しみにしてる」みたいな追加シーンは普通に沸きました。

めちゃくちゃ気になったのは有名な12と12のユニフォームの背中を向けてベンチで話しているシーンになぜかギターが出現したり消えたりするところ。下北のミニシアターとかで観るような短編映画ばりのアハ体験さすな。

あまりにも清々しく1話ごとにちょうど7〜8分くらいのダイジェストで繋いでくるものだから、9話あたりで、あれっこの映画もしかして5時間やる??全然いいけど……と思ったけどそこからが怒涛だった。ほぼ亡き者にされた10話から13話ってドラマシリーズ的にそんな扱いなんだ!?と改めて謎の驚き。わたしは3、4話が好きだけど、後半そんな……いいんですか?そういえばバズりにバズってた4話の体感3秒でお菓子持ってくるサラワットくんもカットだったな。単に監督と平々凡々なわたしの好みの差異かもしれない。それはごめん。

みなさんの忙しさはいちおうわかっているつもりだったけど、さすがに、撮り下ろしシーンここだけかよ!と言う気持ちは初見では拭えなかった。2getherというジャンルそのものへの信仰心が薄かったんだと思います。周りはちゃんと泣いてて、いっしょに0時になるのを待って予約した人たちのはずなのに、自分だけ場違いなような、ああ失敗したなあなんて悔やんだりして。

ただ、その日のうちにもう一度観て、この映画が"そもそもそういうもの"とわかっていると楽しめるな!と思えたので信仰心のなさを許して欲しいところはあります。重めの期待をかけすぎました。あときっと、わたしにとってStillの出来があまりにも良すぎた。本当にキャストを集められるぎりぎりの時点でハマれたんだな、などとぼんやりとした実感。

 

16:20回後、よかったところ

ここまでダラダラと愚痴めいたものを書いてきましたが、別に、残りのムビチケは山羊の餌にでもすっか!とは思っていません。楽しくて幸せでかわいい(タイの方が褒め言葉によく使うこの語彙がとても好き)シーンがたくさんありました。

大スクリーンでよかった〜って一番思ったのは、9話ダイジェストで松葉杖で体を支えながらタインくんを見上げるサラワットくんの瞳がアップで見られたこと。「まだラストシーンじゃないかも」あたり。クリアコンタクトレンズのふちらしい、澄んだ青にかこまれたひとみが世界一美しかった。あと、高解像度版サラタイのすこし刈り上げた襟足がまぶしくて。

タイのたっぷりの陽射しをあびるみなさんの頬のひかる産毛、額に張りつく髪、土埃、飛んでいるちいさな虫さえ不可欠なのだと思った。ビル立ち並ぶ東京の映画館でなお、わたしたちは一瞬だけタイにいて、2getherを好きになってからの日々を振り返ることができた。これは大スクリーンじゃないとできなかったこと。

サラワットくんの大学生活を112分で駆け抜けると、いかにして彼が人間になったかを、その豊かになる表情から、可愛くなる笑顔から、愛しいと語る視線から、おどけられるようにもなった人柄から、ひしひしと爆速で感じることができてちょっと泣けてしまう。とくにわたしは4話のガンティサノーン兄弟(サラワットくんとプコンくん)の「好きな人ができて変わるのって怖くない?」「悪くないよ」あたりの会話が本当に好きなので、自らがめちゃくちゃいい方向に変わりながら同時に周りの人のことも変えまくったタインくんの偉大さを想わずにいられなかった。初見の時めちゃピーチ姫じゃんとか思ってごめんね。あんたがヒーロー。

タインくんの心情を丁寧に追うボイスオーバー前半、正直なところ意外性はなかったんですが、後半まさかのサラワットくんバージョンになったのびっくりしたし、宇宙人が人間になってから振り返る過去、宇宙人からしたら当時から人間のつもりだったの可愛くておもろくてよかった(すみません)。あと、基本的にすこし高めの声が多いBrightくんのド低音をずっと聴けるのがよすぎました。タイ語のこと何も分からないけど、調音のせいなのか、気持ちが声音の高低によく出る感じが可愛くていいなと思う。ただし一番笑ったのは完全に「正直 俺のほうがグリーンより重い」。その通りだけど不意打ちやめて。あと某シーンの「タイン お前は俺を贔屓してる」、客席笑っちゃってて和みました。

シアター内が笑っちゃってたといえば深刻なシーンでもときめかせるシーンでも背後に映り込んでいると視線を掻っ攫われるBossこと、本当にひとことも台詞ないのに圧倒的吸引力を発揮してくるのやめてほしすぎたGunsmileくん。軽音部ライブのあの9話10話あたりまじで集中できなくてわたしも笑ってしまった。サラワットくんが超かっこいい顔で「もう口説くのはやめた」いうてるのに何度観ても右上のBossしか見られん自信ある。助けて。けどまあ、シリーズを基本的にスマホのちいさな液晶で見ていたからか、スクリーンが広いことによって気づけてなかったところによく目がいっておもしろかったな。

演じたPluemくんが俳優をやめてちゃんと就職してタイを離れた(インドネシア建築士になられたんだっけ)ので第2シリーズではいなくなってしまったPhuakくんのいる、元祖チームタインを大画面で見られたのもよかったな。前方の席から映画を見上げるのが1mmも苦じゃないタイプなんですが、OhmくんことJJ、1人だけニョキニョキでかくてスクリーンでも倫理観がなくて(コンプライアンス遵守の手前かセリフがカットされがちで不憫オモロだった)、服が可愛くて、でも見上げてるから増して184cmを感じられてウケた。かおたん演じたFong含めたこのチームタイントリオが一人抜けてオムフォンコンビになってしまうけど、卒業式後のシーンでずっとトリオなんだなと思えてちょっと泣けてしまった。台詞だとしてもアドリブだとしても、あのカラッとした温度感が天才。元気かなでも寂しいねでもなく、後悔させてやろうぜ、っていうのがいいな。

あとなんか、大スクリーンのかおたん、盛れてませんか??????病院でタインくんにシーーッてするところ、丸め込ませようと交渉してきたサラワットくんを逆に説得するところ、なんか他にもいろいろあったけど、112分にまとめるとこんなに活躍する人だったんですね。Fongのリアコが増えちゃうだろうが!!!!って思った。

メインカプも一度しかまともに𝓚𝓲𝓼𝓼しないのに、ナレ処理の駆け足Still総括でまさかの大スクリーン𝓚𝓲𝓼𝓼をかっさらっていったマンタイプ、あまりにもさすがすぎて笑ってしまった。やっぱあそこ瞬間最大風速なんだよね。きらきらあざやかな台風。このドラマシリーズが俳優人生の転機と何度だって言ってくれるチームお兄さん組が、一瞬でもがっつり見せ場もってくの嬉しかった。多分初見の人も気になっちゃう。Typeさん、電話しながら後ろから現れる、本来ならプーケットにいるはずの彼氏として優勝すぎるんだよ。あといつも思うけどチームワットの時のManくんとTypeさんの前でのManくんって表情の可愛らしさの差が鮮やかすぎるから、これも大スクリーンで見られて嬉しかった。なお推しシンメ演じるカップルは謎のゴミ拾いタイムとビーチバレーで兄ワットくんに気づかれるやつ(あそこのサラワットくんだいすきなので沸いた)と兄ワットくんからの包丁ドーン!がピックアップされており、なんとなく運営がどう扱いたいのかわかる気がして内心面白かった。ふらどれ、かわいいですが(おたくスーパーウルトラフィルター)ちょっと気狂いシンメなので……。ゴミ食べる?のやつ、素でやる。

 

それから今作品最大の目玉である、というかほぼ唯一の撮り下ろしシーンいやサラタイ(と犬と、ボスペア)(なんで)はもうちょいありましたが。

なんか絶対もっとたくさん手持ちのカットあるでしょ!?そこでジャンプしてみて!?というのが一番最初の感想でした。どっかで有料でスペシャルディレクターズカット版を見せて欲しい。全世界最速公開してもらっといて貪欲に不遜でごめんなさい。以下、ぶつ切りでぽつぽつと各シーンの感想です。

サラタイが到着した時に自撮りしてるチームワット&チームタイン、とてもとても可愛くて、あの二人がいなかったら出会ってないってことが信じられないくらいだいすき。igのポストに端を発したサッカー場での治安悪い口喧嘩、映画にも入ってたの嬉しかったな。でもどう見ても上から184.183.180.174なのに174cmのFongにカメラを託すのおかしいんよ。絶対Ohm(演:JJ、184cm)が撮った方が盛れるって。

観終わってすぐのメモにはあまりのショックでか(なんで)Pear……結婚したのか……俺以外の奴と……というお決まりのやつが書いてあっておしまいすぎた。「他の子を見ちゃダメよ」、2021年で一番可愛いシーンに決まりました。ありがとうございました。無理。どうしよう。祝いたい気持ちはあるけど俺たちのアイドルが人のものに……とずっと動揺していた。BossじゃなくてわたしだってPearちゃん以外を見ることなんて絶対にない。世界一可愛いので。幸せの定義が難しい時代だけど、幸せになってください、などと激おも感情を持て余してしまう。

あと色んな人が気にしてたとこ、結局オムフォンがゴーストシップなのかそうじゃないのか分からなくて面白かった(追記:アナリティクス見てて気づいたけど[オムフォン 2gether]でここに辿りついちゃった人、ごめん)。いやわたしは普通に「俺は卒業してからもEarnを口説くぞ」とかあたりでゴーストシップだったんだなあって思ったんだけどフォロイーは「逆にあり」とか言い出してたので。確かに、完全になぜかこれからもお前とニコイチ宣言ですね。あと可愛い子を見つけて駆け出すところもなぜか手を繋いでいて動揺した。なんなんだ。

それから、カングーライブで「どんどん可愛くなってる」とGuyさんに言われてたFilmちゃん、花束を抱えて振り返る姿がめちゃくちゃその通りで。願わくば女子勢の卒業ローブ姿も見たかったな。ていうかみんなとEarnちゃんてタメだと思ってたんだけど違ったのね。この3人、ライブでもずっと可愛かった。からのEarnちゃんの肩を抱くOhmの手を剥がしてそのまま握り続けるFong、おたくが動揺しますのでたぶらかすのやめてください!(?)かおたん、魔性の男だ!あの会場、どこもかしこも定点したすぎるからマルチカメラが欲しい。JJ、ずっとかっこよくて可愛かったな〜!と思っちゃうくらいなんか知らんけど気づいたらJJのビジュアルをめちゃくちゃ好きになっていて怖い。でもね、Earnちゃん、オムフォンは可愛い子とふらふらセルフィー撮りに行っちゃうから身持ちのかたい、いいひとを見つけてください。彼氏でも彼女でも。

Manくんの後ろからニョキっとあらわれるTypeさん、まるきり優しい頼りになるお兄さんの顔でよすぎた。みんなのP'なんですよね。タインくんに、卒業おめでとう、って花束を渡す姿が、穏やかな表情が、カッコ良すぎてなんだか泣きそうになった。それがManくんと向き合うとちょっといたずらっぽいかわいい顔に変わるの、絶対おたくの気のせいじゃないと思うんだけど。ただしピアスばちばちにつけててめちゃToptapさんの魂が全面に出ていたのにはワロタ。最初の方の生真面目ちゅるん顔はどうしたんだ。今のばちばちTypeさんも好きですが。いやまってManくんの趣味か……??マンタイプ、スニーカーのくだり、あんなに短い出演シーンの中でStill踏襲してきたの普通にすごすぎる。かわいいのはスニーカーじゃなくてTypeさんですね、オッケーありがとうございます。

最後にGreenちゃんの「P'Diiiiiiim!!」(声量MAX)が聞けたの嬉しくてにやけてしまった。ドラマシリーズも見たことのない、予告だけ見せられた状態で応援上映に引っ張ってこられたダチ(かわいそう)、「わりとウザキャラのはずなのにぜんぜん好きなのすごかったし、謎の愛され力あるからディム先輩みたいなイケメンと引っ付くんだよなわかるになった」と言ってくれて、わかるな……。なお、Greenは絶対日本版ならCUBEのワカハイがやりますという話になりわらいました。幻覚を見ている。

One Hug(原題:กอดที/ゴート ティー、邦題:抱きしめさせて)、7月14日までまだ和訳は出てない?んですよね?※追記:タイの情勢を鑑みて8/25までアルバム発売が延期になりました。Spotifyで見られるのは英訳だけなのかな。めちゃくちゃ美しくてエモーショナルで可愛い日本語で、訳した人の才能を感じた。タイ語なのに訳した日本語の音がメロディーと合ってるように聞こえるのがものすごい。出だしの「想像できない」とか「抱きしめさせてよ」とか。可愛かったの、個人的には「誰のために歌うか当ててみて」「甘い言葉じゃ響かないよね?」かな。『One Hug』の歌詞、写経して飾りたい。とくに推しシンメのところ全部エモかった。こんなに顔が綺麗なのにこんなに歌も上手いブライトワチラウィットチワアリーさん、サラワットくんにコンバートしてくれて本当によかったです。

追記:映画版のOne Hug 日本語字幕ブログを更新しました。

https://kcmz.hatenadiary.jp/entry/2021/09/06/231554

偶然かもしれないけど、サラワットくんが舞台に上がってからの照明の色合いがずっとあの「自己紹介はしません」の新歓ライブのそれと似ていて、なんだか胸がぎゅっとなりました。あのとき、文句なしに綺麗なのにすましたお人形さんみたいな表情だったサラワットくん、こんなにも表情ゆたかに人間らしく微笑むようになったんだなって。タインくんもマンボスもすごすぎる。そしてBrightくんって多分本当に演技が上手なんですよね。きらきらの瞳が細められて、口に出さなくてもどれだけサラワットくんがタインくんを大好きで大好きで大好きなのかわかる。なんかまじでこのひとは立つステージが何万人入る箱になっても絶対にタインくんだけを見つめ続けられるんだろうな。

この映画の公開前、メイキングインタビューでの「今度のサラワットが、一番いいです」というBrightくんの真っ直ぐな言葉を思い出した。誰よりもBrightくん自身がサラワットくんのことを信頼しているのが伝わってきて。

公開プロポーズ(仮)、後ろのベースの先輩の表情がやわらかくも「またか」感があっていつもごめんねとしか思えなくて笑ってしまった。サラワットくん、初対面の皆さんからもだんだんタインくんへの愛が重いことが気づかれていくので、毎年新一年生にしかモテない先輩でいてほしすぎる。例のシーン、リンgあぶねえーーーーピックでよかったーーーーー!!!!ってなったけどよかっ?……よかったのか???????

などといまでは冷静ぶっていますが、この時点ではBメロのマンタイプ・プコミルで記憶が吹っ飛んでいました

 

プコミル、本当の本当に体感2分しか出ないんですが、撮り下ろしのライブシーンがものすごくて。深読みというかめちゃくちゃにご都合主義解釈なんですけど。

P'Dimが歌ってるあたりでみんなが集まってくる一番最初、ふたりはふたりで後ろから寄ってきています。直後、するりとPhukongくんだけ、並んでいるサラタイの方に近づき、サラワットくんの斜め後ろに入ってきて、しばらく一緒に曲を聴いています。たしかP'Milは後方でManくんと肩を並べて笑っていて(Typeさんはタインくんの方にいたと思う)。

途中、サラワットくんが計画の中止を伝えようとしているところで、Phukongくんが後ろを気にしながらきょろきょろするんですよ。その次のカット、もうサラワットくんの斜め後ろからいなくなってる。それに気づいて、ウッソでしょ?と思って。いやいやまさか、って心臓がヒュッとしました。おたくの都合のいい思い込みかもって一応は思ったんですよ。思ったんですけど。

Typeさんがドア近くにいたManくんに歩み寄る画角に、白いシャツが眩しいPhukongくんがフレームインして、目を合わせてP'Milが笑って、マンタイプに見送られながらふたりでかろやかにフレームアウトする。これが意図されたものならちょっとあまりにも鮮やかでびっくりだし、意図されていない演出なら稀代のストーリーテラーが偶然の顔をして潜んでいるに違いないと思った。

何が言いたいかというと、この短い一連が結果ふたりのシリーズ内での立ち位置の変化にそっくりなのではないか、ということです。

「俺の弟だ」で鮮烈なはじまりの予感とともに登場したふたり。順調に歩んでいくさまを見せつつも、P'Milとサラワットくんの関係性からいちど「サラワットの弟」の位置にもどったPhukongくん。弟としてしか見られないと残酷なまでに優しく突き放されても、探して、ひとりで追いかけて、ついに手を繋いだPhukongくん(そしてメタいことを言うと、もうないとは思いますが、万が一この後このシリーズが展開してもきっと出演がかなわないだろうFrankくん)。

「うまく言えないとわかってほしい」で指ハートしてるのも、「誰かを愛することの素晴らしさを教えてくれた」で抜かれるのも、まぶしくてきらきらでだいすきでした。サラタイのように純粋無垢にまっさらな純度100%の恋でなくとも、抱えた後悔や痛みを分かち合わずともお互いに隠した傷痕を思い遣れるふたりなんだろうな。

 

そして、公式で上がっている動画*1とはまたすこしちがう訳詞の主題歌『Ten Years Later』とともに、いとしかった日々を振り返るようなオフショットのならぶエンドロールを観て考えた。

 

きっとこの映画そのものが、2getherシリーズ自体の卒業式でもあるんだな、と。

 

閑話:2getherとの出会い

次の目次まで飛ばしてください。

 

どう考えてもわたしの2021年は仕事私事推し事全てにおいて毎月最悪が重なっていた。1月、やっと自分で納得いく応援の仕方が見つかったと勝手に思えていたアイドルがアイドルを卒業すると発表した。2月には大好きな、応援してきた子のいた、家族みたいだった事務所がマネジメント事業をほぼ解体、実質離散した。3、4月とも(他の方面でではあるけど)嘘でしょ?というくらい不運が重なった。ウケる。

今でこそウケるな〜などと振り返っていますが、渦中の1月は本当に落ち込み倒しました。初めて、ずっと使ってきたメインのTwitterアカウントを、ログアウトでなく、削除するまで至って。まあでも要らんこと言いそうだったからってだけで、結局落ち着いた頃に復活させました。あのアカウントは私用備忘録なので。

そんな情緒が大変不安定だったわたしに、遠方に住んでらっしゃるフォロワーさんが、3月のあたまに、小包(※でかい段ボール)を送ってくださいました。とあるお手紙と共に。

それはアイドルを辞める推しメンへのお手紙でした。フォロワーさんは、彼(の前世)と出会う前からのお付き合いの方で、もちろん彼のおたくでも彼のグループのおたくでもありません。つながりはただ一曲、コロナ禍に発表された彼のグループ所属最後のシングル曲になってしまった一曲*2をとっても気に入ってくださったというそれだけ。小包はわたしが購入したそのシングルをお送りしたお礼のはずでした。お送りしたものと受け取ったもの、サイズが全然違ったけど。

わたし宛にいただいたお手紙には、彼への手紙は読んで構わないこと、内容を確認してから彼に送るか送らないかは選んで構わないこと(真っ直ぐに貼られた切手と綺麗な字で丁寧に書かれた事務所の住所と彼の名前でこの時点で号泣してしまいました)、大きな段ボールに入ったたくさんの贈り物についてその説明が書かれていました。

途中までしか読めなかったけれど、ありがたい言葉ばかりで、ファンじゃない方からこの後の人生に幸あれと願ってもらえるちょっと変わった人を応援できた幸せを痛感しました。最後まで読めなかったのは、途中でハッと、人への手紙はこうして読むべきでない気がするなとなんとなく思ったのと(遅)、読みつづけられなくなるほど泣いてしまったからです。翌日、こんなに!?と驚くレベルで目が腫れるくらい。

封をして、翌日早朝に投函しました。元・推しメン、文字数制限に引っかからないことの方が少なかった長文DMがパタリと止んで安心していたでしょう。わたしの文字より何億倍も読んで欲しかったお手紙、無事読んでくれましたか。

 

閑話が過ぎました。

フォロワーさんは、2020年からずっとあるジャンルを追いかけていて、段ボールの中にはそのジャンルにおいてフォロワーさんの原点ともなるコンビの写真集と、特集されたananが入っていました。

それがTLで見かけていたBrightWinです。

あんなに大流行りしていた春も夏も、わたしのTLではタイに狂っている人がそのフォロワーさんしかいらっしゃいませんでした。楽しそうだなあと思いながら、顔が綺麗だなあ、脚が長いなあ、関係性がエモいなあと思いながら、本編は一度も見たことがなかったのです。

フォロワーさんが、わたしの応援していた子にお手紙を書いてくださったのは「わたしのため」でないことくらいはわかっています。でも、修正液の痕もない、丁寧な筆致のお手紙にかけてくださった想いと時間のぶんくらいは、わたしもなにかすこしでも喜ばれることでお応えしたかった。

これが、わたしが2getherを2021年の3月というわけのわからん時期に履修した理由です。

 

閑話休題、おわりに

だからこそ、2getherはわたしの中でここまでずっと卒業という文字と切り離せない存在でした。初めて見た3月と、Stillを見た4月という時期がおおきく作用したのでしょう。

そして6月のこの映画は、2getherというジャンルそのもののひと区切りなのだと思ったのです。叶うことならタイから順番に催行されるはずだった、世界中の卒業式として。

 

サラワットくんとタインくんはまわりを幸せにしながら人間になり、わたしは彼らが掛けあった魔法の残滓のようなきらめきを指先や視界の端に残しながら、また日常に戻っていく。失くなることはないけど、でも、もう2getherというものはいち作品で、ひとつの過去で、ふりかえるものになってしまったのだと気づいた。

スクリーンの向こうで未来を歩んでいくキャラクターのみんなも、俳優の皆さんも、そして奔流に飲み込まれたわたしも、もはやずっと同じところにはいられないのだ。学生時代の、卒業式の前後の1週間の心をぎゅっと絞られるようなさみしさをまざまざと思い出した。

パンフレットにみんなのインタビューやコメントがないのは少し残念だったけど、情勢もあるし、それぞれにきっと忙しいのだろうなと自分を納得させた。あと推してるシンメの誕生日が一緒になってて(誤植)ウケたので買い足しました。なによりさいごに主演2人から共演したメインキャストの印象、それぞれへと向けたやさしいことばが並んでいるページがあって。卒業文集じゃん、と思ってしまい、かなり寂しくなってしまったのは事実。境遇は違えど、みんなこれからも、2getherという学校で出逢った、おなじ窓から入るひざしとあたたかな風をおでこに受けた同窓生なのだと思う。 

 

美しくなりすぎたから、もうテニス部ではいられないから、卒業の季節だね、というテニミュおたく文法がだいすきで、どのジャンルにいても卒業と聞くとこの文法を思い出さずにいられない悪癖があるんですが。

このシリーズで大躍進を遂げた人だけでなく、あの頃すでに活躍の場がいくつかあった出演者でさえも、みなすべからく、ここ2年で随分垢抜けてしまった。ハイブランドを着こなし、気の遠くなるようなSNSフォロワー数をかかえ、どこに行っても凛としている。

画像でもなく、切り抜かれた数秒でもなく、きちんと動いているBrightWinを初めて見たのは、ミスユニバースタイかなにかのショーの映像だったと思う。かっこよくて、それぞれに求められる像がまばゆくて、ふたりがふたりとして、そしてひとりとして確固たる存在感があって。

シンメトリーに夢を見ているからこそ、タイのシンメ売りに羨ましさと眩しさを重ねているからこそ、疲弊しないでほしいと思った。サラタイを求められること、どこにいっても互いがつねにB&Wの片割れであることに。

 

コロナ禍で自宅自粛によって世界的におおきく広まったこのジャンルそのものを、ほぼ無名だったBrightくんたちや、新人だったWinくんたちを、その夜明けから見つめ続けられたら。それは、どんどん華やかになるにつれいつかは終わっていくことを実感させられる花火大会を、つぶさに見つめ続けられたような幸運だろうと思う。そして自分がそのプロセスを逃したことも分かっている。それでもわたし自身として、変なタイミングで足を踏み入れたこのジャンルが、いま確かに、収縮や消滅でなく、卒業としてひとつ結び目を迎える瞬間をオンタイムで実感できた幸運のことも忘れないでいたい。

卒業おめでとう。

 

 

追伸:鹿児島県での公開日決定、おめでとうございました。